100円ライターで“燃える物・燃えない物”実験｜家庭で本当に危険なものとは？【火災のまめ知識】

「100円ライター」は危険？家庭で起きやすい“燃える物・燃えない物”リスクとは

「この程度なら大丈夫でしょ」
そう思って、100円ライターの火を軽く当ててしまう。その“ワンアクション”が火災につながることをご存じでしょうか？

家庭には「燃えると思わなかった」ものが意外と多くあり、小さな火でも一瞬で着火してしまうケースがあります。とくに高齢者・一人暮らし・忙しい家庭では、キッチンやリビングでちょっとした火を扱う場面が多く、火災リスクが高まりがちです。

今回は、身近な物を例に「100円ライターで燃える物・燃えない物の違い」をわかりやすく解説します。

100円ライターは火力が弱く見えますが、炎の温度は約1,000℃。
紙やティッシュ、プラスチックは数秒で着火する温度です。

● 家庭でよくある発火パターン

ティッシュ箱の近くでライターを使い、端に着火

ゴミ袋の上でタバコの火を落として溶けて着火

アルコール・整髪剤のスプレー缶に火が引火

実際、消防庁の住宅火災統計でも「着火源はライター」という事例は少なくありません。特に高齢者世帯では、目が離れたスキに火が広がるケースが多く報告されています。

次のような兆候があると、火災リスクが急上昇します。

古いライターは内部圧が変化し、炎が予想以上に大きくなることがあります。

ティッシュ、紙袋、衣類などは数秒で発火します。特に毛布やカーテンは一気に広がりやすいです。

ヘアスプレー・消臭スプレー・アルコール除菌などは“蒸気”が引火します。目に見えないため気づいた時には火柱になることも。

「燃えると思わなかった」物ほど危険です。そこで、家庭でも実践しやすい“安全対策”をまとめました。

燃える物：紙・ティッシュ・布・プラ袋・段ボール
燃えない物：金属・陶器・耐熱ガラスなど
特にプラスチックは、燃える前に溶けて形が変わるため、気づきにくいのが特徴です。

火元から1m以内に物があるだけで、着火リスクが一気に増えます。
キッチンの「積み置き習慣」は特に注意。

火が出ても、最初の10秒で対処できれば大事故を防げます。
最近はインテリアにも馴染む消火スプレーもあるので、リビングに常備する家庭が増えています。

火を使う前に、次の5項目を確認するだけで安全性が大幅にアップします。

ティッシュ・紙袋・服が近いと危険。

大きすぎる・不安定なら即交換。

可燃性ガスは一瞬で引火。

こもった可燃性蒸気が引火することも。

“目の届く場所に置く”が鉄則です。

100円ライターは小さくても、油断すると家庭火災につながります。
特に、紙・布・プラスチックなど「燃えやすい素材」は、少しの火でも一瞬で着火します。

今日からできる対策は次の3つです。

可燃物の近くで火を使わない

ライターの炎が大きければ新品に交換

初期消火用に“消火スプレー”を1本常備

万が一の火災でも、準備さえあれば命は守れます。
あなたの家庭でも、今日から火の周りを少しだけ見直してみてください。